現役引退を表明したFC東京の元日本代表MF石川直宏【写真:編集部】
2日に今季限りでの現役引退を表明した元日本代表MF石川直宏が、所属するFC東京のクラブハウスにて記者会見を行った。
横浜F・マリノスでプロデビューし、2002年からFC東京に在籍している石川はクラブの象徴としてファン・サポーターから絶大な人気を誇る選手である。しかし近年は度重なる負傷に悩まされてきた。
2015年夏のドイツ遠征・フランクフルト戦で膝に大怪我を負い、昨年9月に一度J3の試合で戦列復帰を果たしたものの、そこで再び怪我を悪化させていまい、現在もリハビリ中。今季の公式戦出場はなかった。
石川自身、J3で復帰してからの再発で昨年末は「このまま現役を続けるかという迷い」があったという。結果的に今季も選手として復活を目指しているが、「今回はかなり自分の中ではスパッと決まった」と明かす。
それでもピッチに復帰することを諦めていない。現状について「かなりペースも上がってきていて、もう少ししたら練習に合流できるところまできていた」と石川は語る。だが先週「体が動けているからこそ」古傷のふくらはぎを痛め、現時点では練習量をコントロールしながらチーム練習への合流を目指しているところだ。
「自分に今できること、そして今だからこそ伝えられること、そういったことの価値を自分の中ではっきりと、持っているものを伝えたい」
石川は16年間プレーするFC東京が、より大きなクラブへと成長していくことを強く望んでいる。シーズン終了まで、全力を尽くす覚悟でいる。そしてもちろんピッチでファン・サポーターに元気な姿を見せることも諦めていない。
「2015年の8月から約2年間リハビリの時期が続いていまして、なかなか貢献できないもどかしさがある中、言葉として伝えられるものがあるんじゃないかと。そういったものを積み重ねていく中で、ラスト半年で必ずピッチに戻って、それまでにできることをしながら、もう一度ピッチで貢献する、自分らしいプレーをする。ファン・サポーターの皆さんが喜んでくれる、そういう姿を見たい。そういう思いで決断に至りました」
プロ生活18年でJ1通算289試合出場、49ゴールを記録している石川。今季残された時間の中で、その数字をひとつでも伸ばすことができるだろうか。
【了】