おそらくはトップの入れ替えが最善の決断
変化と休息にはどちらも同じくらい価値があると言われる。J1が3週間の中断を迎えるにあたり、サンフレッチェ広島はここまでの散々なシーズンの流れを変えるため、その両方を実行することになった。
2015年に4年間で3度目という国内王者のタイトルを獲得したのはそう昔のことではないが、「紫の矢」は2017年の前半戦に極度の不振に陥ってしまった。7月1日の浦和レッズ戦に3-4の敗戦を喫したあと、森保一監督はもはやここまでと判断し、自らの体に刃を突き立てる決断を下した。
退任を決意した森保監督は、広島が降格圏に沈むに至った結果の責任を自ら取ることを主張したが、一方で選手たちは自分たちに大いに責任があると口にしている。たとえばFWアンデルソン・ロペスは、“森保以後”の初戦となった7月8日の横浜F・マリノス戦とのアウェイゲームを終えたあと、責任の90%はピッチ上の自分たちにあると語った。
実際のところ、責任の割合を決めることはこの場合必要ではないだろう。森保監督と広島の間では単純に、様々なことが自然と流れから外れてしまったと言う方がよりフェアなことだ。
48歳の指揮官は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の後を引き継いで以来の5年半で素晴らしい仕事を成し遂げてきた。だが毎シーズンのように主力選手が去り、チームに残った主軸は年々歳を取っていく中で、クラブは監督にも選手たちにも断ち切ることが不可能な反復サイクルに陥ってしまったかのようだった。
こういったケースでは、簡単な決断ではないとしても、おそらくはトップの入れ替えが最善の決断ではあるだろう。新鮮な顔をベンチに置き、新たなアイディアや新たな練習法を導入し、控え選手たちにもアピールのチャンスを与える。
レギュラー選手たちにも、ポジションを維持するのにふさわしい力があることを新監督に納得させる必要があるというプレッシャーを課す。今月末にリーグが再開されるまでに、そういった全てのことがチームを再び活気づけるかもしれない。