スタッフの人員は大幅に増加。職場環境も改善
4月25日に行なわれた定時株主総会で新しい代表取締役に高田明社長が就任し、株式会社ジャパネットホールディングスのグループ会社として再出発したV・ファーレン長崎。それからの約2ヶ月、クラブは山積する経営や運営の問題と向き合いながら、静かにそして着実に変革と改善を推し進めている。
なかでも新体制下で大きく改善されたのが、3億以上の累積赤字に陥っていた経営問題だ。一時は給与遅配の可能性も言及されていた経営状態だが、ジャパネットからの支援によって、関係者が「そういった心配は今後はないと思います」と語る状態にまで持ち直すことに成功。補強などのチーム予算についても問題はない状態にまで改善される見込みだ。
その一方で、クラブの経営環境は予想以上に深刻で、当初「3年で10億以上」としていた支援額を1年目から投入しなければならない可能性もあるとされている。今回の経営危機はジャパネットが大きな負担を負うことで救われたが、本当の意味での経営改善はこれからの大きな課題となるだろう。
中でも、2年前から急騰し、昨季はクラブスタッフの人件費をも超えた委託費をはじめとする支出の見直しは急務となるはずだ。
4月の定時株主総会でジャパネットホールディングスの高田旭人代表取締役社長が「既存のスタッフ、ジャパネットからの選抜する社員、新たに採用する社員で運営を行なっていきたい」と語ったとおり組織体制と人事についても大きく変わった。
YKKグループで辣腕をふるった高橋章二氏や、4月までツエーゲン金沢の運営に尽力した由井昌秋氏を取締役として迎えいれ、定時株主総会翌日からはクラブ運営メンバーの一般募集も開始。結果、既存スタッフやジャパネットグループ内からの社員とあわせてスタッフの人員は大幅に増加された。
むろん、単純に頭数を増やしたというわけではない。既存スタッフにもあらためて適性試験を実施し、関係者が「どこに出しても恥ずかしくない」と評するジャパネットの人事制度やノー残業デーを導入するなど職場環境の改善も推し進め、クラブを意欲的に働ける場にしようとしている。