ゴールパフォーマンスはどこで行われるかわからない
第6節(4月8日)の清水戦以降負けなしで、現在首位に立つ柏。第6節までに4敗してスタートダッシュできなかったが、しっかりと勝ち点を重ねてきた。多くの勝利で1点差ゲームをものにしている。この日の札幌戦でも1点差で勝利し11勝目。得失点差は+10。粘り強い試合を見せている。
リーグは第16節終了し、まもなく折り返しを迎える。理想のサッカーをできるのは上位陣のみ。ここから現実サッカー(=勝ち点を取るサッカー)に転じるチームが増えてくるはずだ。
柏は理想のサッカーで勝ち点を重ねてきたチームの一つ。キャプテンの大谷秀和を筆頭に柏の育成組織出身が多い。学んできたサッカーを体現する。札幌戦でも先発の11人中、8人が柏の育成組織出身だ。そこに、味の濃い伊東純也とクリスティアーノがいいスパイスとなる。
柏は前節の甲府との戦い同様、現実サッカーに苦しむ(前節0-0のスコアレス)。人数をかけてブロックを作る札幌に対して、ゴール前には運べるが、決定機は作れない。
相手を崩すときは「三角形を形成して突破する」とよく言われるが、柏の場合は“四角形”を作って相手を崩す。右サイドは13小池龍太、7大谷秀和、19中川寛斗、14伊東純也。左サイドは22輪湖直樹、17手塚康平、8武富孝介、9クリスティアーノ。
両サイドで四角形を作って、前線はクロスの動き、後ろは外か中の選択で多彩な攻撃を見せる。両サイドとも攻撃のスイッチを入れるのはサイドバックの選手だ。
攻撃が手詰まりになればセンターバックの4中谷進之介、5中山雄太まで下げて、サイドを変える。バランスの取れた攻撃を前半から何度も見せたが、札幌の3バックがしっかり中を固めて、GKク・ソンユンと一緒に柏の攻撃を跳ね返した。
外からのクロスを多用していた前半だったが、42分に中央から攻め込み、武富がうまく3バックの間へ抜け出しPKを獲得。クリスティアーノが難なく決めて先制に成功した。
私の撮影ポジションはと言えば、札幌の攻撃側のサイドラインで行っていた。PKを決めたゴールとは反対側。もちろん多くのカメラマンは首位の柏を撮影するため、PKを決めた側のゴールでカメラを構えていた。しかしゴール後のパフォーマンスはどこで行われるか分からないのがサッカーであり、そこが一番のカメラマン泣かせでもある。