城南FCのエース、そして地元の人気者がJリーグ移籍
J1で現在暫定3位につけるガンバ大阪が、韓国2部にあたるKリーグ・チャレンジの城南FCから韓国人ストライカー獲得に成功した。
元韓国代表という肩書は華々しい。2015シーズンには韓国1部にあたるKリーグ・クラシックで21ゴール3アシストを記録した実績もある。今年25歳という若さも魅力的だ。
しかし今季の成績だけ見れば、G大阪で要求されるレベルにあるのか疑問が残る。城南FCは昨季Kリーグ・クラシックで11位に低迷し2部降格。彼自身、今季はKリーグ・チャレンジで4ゴールと決して目立つ成績ではない。
到底J1で上位争いをするチームにふさわしいストライカーとは言えない数字だ。一部のガンバファンからは“第2のイ・スンヨル”(編注:イ・スンヨルは2012年に鳴り物入りでガンバ大阪に加入した元韓国代表FW。FCソウルでの出番減にともない移籍前年から絶不調に陥っていてJリーグでは8試合無得点に終わり、加入から半年で放出された)になるのではないか、と心配する声も聞こえる。
だが、この男はJリーグで羽ばたけるだけのポテンシャルを秘めている。その名は、ファン・ウィジョ。今季2部リーグで4ゴールにとどまっていたのにはそれなりの理由があった。
城南FC一筋の男には紆余曲折があった。
ファン・ウィジョはジュニアユース時代から城南FCに在籍してきた生え抜きである。筆者の地元である城南市が彼の出身地だ。卒業したプンセン中学校やプンセン高校も城南市が誇るサッカー名門校で、城南FCと提携しているユースクラブでもある。
彼は2011シーズン、城南FCからドラフトで優先指名を受けたうえで、出場機会を確保するため延世大学に進学。2013シーズン、延世大学を中退し、古巣である城南FCへ帰ってきた。大学時代を除くと、サッカー人生のすべてを城南FCに捧げてきた選手だけにファンの期待もかつてないほどだった。