途中出場でチームのギアを挙げた背番号11
先制しながらも前半終了間際に追いつかれ、後半には逆転ゴールを浴びた。下を向いてもおかしくない状況にもかかわらず、ジュビロ磐田の選手たちはそこからギアをもう一段階上げた。チームを躍動させたのは、名波浩監督の“秘蔵っ子”だ。
明治安田生命J1リーグ第15節。磐田は浦和レッズを4-2で下し、リーグ戦2連勝を果たした。昨シーズンに引き続き、埼玉スタジアム2002で歓喜の輪を作ったのは赤いユニフォームではなくサックスブルーだった。
「(中村)俊輔というエースをけがで欠いているので、浦和の選手、もしかしたらサポーターにも『磐田には2~3点差で勝つだろう』という空気が流れていたんじゃないかなと思う。我々は、それをひっくり返そうということで臨んだ。選手たちが勝つ道筋をピッチの中でしっかりと示して、前節の勝利を活かしてやってくれたと思う。非常にありがたい」
試合後、名波監督はイレブンの反発力を誇った。
ガンバ大阪戦と同様、優勝候補から勝ち点3を奪って見せたサックスブルー。浦和にトドメを刺したのは、前節はベンチ外だったアタッカーである。68分からピッチに立った松浦拓弥は、別格の輝きを放っている。
名波監督は、所属選手たちを「息子」と表現することがある。そんな“磐田の父”にとっての松浦は、こんな存在ではないだろうか。
『手はかかるけれど、だからこそ可愛い』