ベネズエラの躍進を支えた小柄な守護神
U-20ベネズエラ代表のGKウイルケル・ファリニェス【写真:Getty Images】
隣に立って驚いたのは、予想以上に小柄なことだった。登録では身長177cmとなっていたが、おそらく175cmあるかないか。190cm超えのGKたちが台頭する中で、ウイルケル・ファリニェスは異色の存在だった。
決して下馬評が高いとは言えなかったベネズエラを決勝まで導けたのも、ファリニェスの活躍があったからこそ。とにかくポジショニングが抜群で、細かいステップで立ち位置を修正し、厳しいコースのシュートやFWとの1対1でも確実に有利な体勢でセーブする姿は勇敢だった。
そしてボールをキャッチすれば素早く切り替え、正確なフィードを前線に供給する。ハイボールにも弱さを見せず、総合力の高さが光った。今大会でPKを蹴ってゴールを記録した唯一のGKでもある。すでにベネズエラA代表招集歴もあり、異色の守護神として将来が楽しみな逸材だ。
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