サッカー人生で最大の決断。アジア屈指の強豪クラブへ
ヨーロッパだけが、いわゆる海外組の対象ではない。日本代表復帰へ。まだ見ぬワールドカップの舞台に立つ夢をかなえるために。DF塩谷司(サンフレッチェ広島)が、サッカー人生で最大の決断を下した。
15日に発表されたUAE(アラブ首長国連邦)の強豪、アル・アインへの完全移籍。サンフレッチェの公式ホームページ上で、塩谷は愛着深いチームを去るに至った偽らざる心境を綴っている。
「チームが苦しい状況のなか、移籍についてはたくさん迷いました。ただし、一人のサッカー選手として後悔しないように、成長できるようにと考え、決断しました」
UAEでプレーする日本人選手は、塩谷で3人目になる。まずはFW森本貴幸(現川崎フロンターレ)が、2013年1月にアル・ナスルへ移籍。UAEを含めた中東全体でも、初めての日本人選手となった。
このときは、当時所属していたセリエA・カターニアからの期限付き移籍だった。ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍するまでの約半年間で、かつてカターニアを率いたワルテル・ゼンガ監督のもと、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を含めた公式戦で10ゴールをあげた。
そして、今年1月には鹿島アントラーズやモンテディオ山形、大宮アルディージャでプレーしたMF増田誓志が韓国Kリーグ・蔚山現代からアル・シャールジャへ完全移籍。終わったばかりの2016‐17シーズンで11試合に出場して、1ゴールをあげている。
塩谷が7月から加入するアル・アインは、1973年に創設されたアラビアン・ガルフ・リーグで最多となる12回の優勝を誇る屈指の強豪。ワールドカップ・アジア最終予選を通じて日本でもお馴染みとなった、司令塔オマル・アブドゥルラフマンがキャプテンを務める。
フォワード陣には2015シーズンに21ゴールをあげたサンフレッチェの元チームメイト、ドウグラスが所属。2014シーズンのJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞し、一時は日本国籍取得も検討していたカイオ(鹿島アントラーズ)も昨年7月からプレーしている。