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“カタール断交問題”、サッカー界への余波。どうなるPSG? 2022年W杯開催は?

サウジアラビアやUAEなどの中東諸国がカタールとの国交を断絶すると発表した。カタールは2022年W杯の開催国になることが決まっているが、この政治的事件はサッカー界に何か影響を及ぼすのだろうか。また、影響があるとすればどのようなことが考えられるだろうか。(取材・文:小川由紀子【フランス】)

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

カタールの資金援助を受けるパリ・サンジェルマンは?

カタールからの資金援助を受け一躍欧州屈指のビッグクラブとなったパリ・サンジェルマン
カタールからの資金援助を受け一躍欧州屈指のビッグクラブとなったパリ・サンジェルマン【写真:Getty Images】

 6月5日、サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)などの湾岸諸国は、カタールとの国交を断絶すると発表した。『ISなどのテロ組織を支援している』ことが要因だという。

 これらの国々は、陸海空路においてカタールとの行き来を閉鎖、それぞれの国に居住するカタール国民に退去勧告を出すなど、早々に実質的な手段にも着手していて、輸入がストップして物資がなくなるのではないかと危惧した現地の人々がスーパーに買いだめに走る姿などもニュースで報じられている。

 事態が長期化すれば、世界的にも影響が広がっていくと思われるが、とくに対岸の火事とは言っていられないのがフランスのサッカー界だ。

 カタール国家による資金援助をうけて欧州屈指のビッグクラブにのし上がったパリ・サンジェルマン。彼らの株は現在100%、QSI(カタール・スポーツインベストメント)が保有している。QSIは、カタール王国が運営する投資機関QIA(カタール・インベストメント・オーソリティ)の一部門で、いわばPSGは、カタール国によって運営されているともいえる。

 メインスポンサーにはユニフォームを提供するナイキや、胸ロゴになっているエミレーツ航空など他国の企業もあるが、オーレドゥというカタールの電話会社や、QNB(カタール・ナショナル銀行)など、カタールとのパイプなくしては現在のレベルでのクラブ運営はまったく立ち行かない。

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