本田が最も活きる場所はトップ下だ
「バランスと勇気を持ちながらサッカーをすること」
ザッケローニ監督に改めて日本のやり方とは何なのか質問をぶつけると、こんな回答が返ってきた。つまり攻守のバランスを意識しながらも、素早く縦を狙い、高い位置に人数をかけるところはかけ、積極的に得点を目指すスタイルだ。
「このチームを最後に見たのは2カ月前なので、現時点で正確なことは言えないが、理想からはいいところまできているという実感は持っている」と語るザッケローニ監督。就任から約2年半で積み上げてきたものに対する一定の手ごたえと、何日か集まっては解散し、今回の様に期間が空くことによる影響に対する実感と、両方が入り混じっている様子だ。
ラトビア戦は2013年のスタートであり、3月のヨルダン戦に向けた強化試合となるが、主な目的は“チームのやり方を確認すること”。そのために以前から招集を考えていたという大津を除き、いつものメンバーを招集したわけだが、Jリーグが開幕から1カ月も前という事情もあり、海外組が15人という構成になった。ただ、「明らかにコンディションは彼らの方がいい」と広島から選出されたDF水本裕貴も認める海外組にしても、コンディションにバラツキがある。
クラブでなかなか試合に出られない選手もいるなど、置かれた境遇も異なっている。そしてFWのハーフナー・マイクが週末の試合で負傷し参加を見送り、右SBの内田篤人が4日の練習を風邪で休む“アクシデント”にも見舞われた。そんな中で、メンバー全員が顔を揃えた前日練習では「今日はどのメンバーのコンディションがいいか、見極めることができた」と語るザッケローニ監督が、どういった布陣でスタートするかは注目だ。
「試合勘のある選手、海外組を中心に使うことになると思う」というザッケローニ監督の言葉通りなら、攻撃陣は全員が海外組という選択肢も考えられるが、1トップでの起用が増えてきた本田圭佑に関して、ザッケローニ監督は、「できることなら彼をトップ下で使いたいし、彼が最も生きる場所はそこだと思う」と語っている。