悪くない1ポイント。消耗とミスが重なっての失点
気温37度、非常に厳しいコンディションで行われた消耗戦で1ポイントを持ち帰れたのは悪くない結果だ。次のホームのオーストラリアに勝てば予選突破である。今回のオーストラリアはそれほど脅威ではなく(日本もだが)、ホームで勝つ可能性は十分ある。
日本はハリルホジッチ監督の基本戦術であるミドルゾーンでのブロック守備からのカウンターという戦い方で臨んだ。シリアとのスパーリングマッチで4-3-3が機能せず、負傷者やコンディションが整わない選手もいる中で選択肢を失ったのだろう。
本来なら、ベースの戦術プラス、対戦相手に合わせた人選で勝機をつかむのが得意な監督なのだが、今回は最低限の体裁を整えるので精一杯だったという印象である。
早い時間に先制しながら、後半に追いつかれたのは残念だ。だが、日本の守備ブロックはそこまで強固ではなく、追加点を奪えるほどの攻撃力もなかった。引き分けはある意味妥当な結果であり、あの状況と今回のメンバーおよび戦い方では仕方ない。
日本のフォーメーションは4-2-3-1。急造ボランチコンビの井手口と遠藤は、運動量と守備力が特徴であり彼らのゲームメークは最初から期待していない。トップ下の原口もゲームを作るタイプではなく、右サイドの本田ぐらいしかプレーメーカータイプはいなかった。
つまり、相手にボールを持たせることがこの試合のゲームプランである。持たせておいてカウンターアタックを狙う。
井手口は守備力を発揮し、吉田と昌子のセンターバックコンビも落ち着いてイラクの攻撃を防いでいた。ほとんど相手にチャンスを作らせていない。しかし、相手を引き込んでしまうので必然的に自陣でミスが発生しやすくなる。失点の直接の原因は吉田とGK川島の一瞬の連係ミスだった。