オーストラリア対サウジアラビアの試合前に黙とう【写真:Getty Images】
ロシアW杯アジア最終予選グループBの試合が8日に行われ、オーストラリア代表とサウジアラビア代表が対戦したが、試合前にサウジアラビア代表の選手たちが黙とうに参加しなかったとして問題視する声も上がっている。
オーストラリアホームのアデレードで開催された試合では、3日に英国のロンドン橋で起きたテロ事件での犠牲者を追悼するためキックオフ前に1分間の黙とうが捧げられた。犠牲者の中には2人のオーストラリア女性も含まれていた。
黙とうが行われた際、オーストラリアの選手たちはセンターサークルのライン上に一列に並んで肩を組み、静粛な面持ちで目を閉じていた。だがサウジアラビアの選手たちはすでにそれぞれのポジションへと散り、ウォームアップのため体を動かしている選手もみられた。サウジアラビア側の観客も黙とうを行っていない様子だったと伝えられている。
『FOXスポーツ』のプレゼンターがツイッターで伝えたところによれば、試合前の黙とうはアジアサッカー連盟(AFC)によって承認されていたが、サウジ側のオフィシャルはこれを受け入れなかったという。
オーストラリアメディアは、サウジ側の対応に対してSNSで怒りを表しているファンもいることを伝えている。だが、必ずしもサウジ側が犠牲者や黙とう実施への敬意を欠いたということではないようだ。
豪紙『ヘラルド・サン』が伝えたオーストラリアサッカー連盟(FFA)スポークスパーソンのコメントによれば、サウジ側オフィシャルは黙とうがサウジアラビアの文化に適合しないことを説明した上で、豪州側が黙とうを行うことは尊重する旨を伝えていたという。また、選手たちの中には事前に説明を受けておらず、黙とうのアナウンスを理解できていなかった者がいた可能性や、各自のポジションに散りながらもその場で静止して黙とうへの尊重を見せる様子の選手がいたことも伝えられている。
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