ラス・パルマス経由でアトレティコ・マドリーへの移籍実現を目指すセビージャMFビトロ【写真:Getty Images】
FIFAからの補強禁止処分により今夏も選手登録ができない状態にあるアトレティコ・マドリーは、セビージャ所属のスペイン代表MFビトロの獲得を目指してある奇策を用意しているようだ。スペイン紙『マルカ』が伝えた。
ビトロは今季セビージャでリーグ戦30試合に出場し6ゴール6アシストを記録。ホルヘ・サンパオリ監督の下ではサイドバックからサイドハーフまでこなしサイドのスペシャリストとして躍動した。サイド攻撃に比重を置くアトレティコのディエゴ・シメオネ監督が獲得を熱望していることにも納得がいく。
ビトロ獲得を何としても実現させたいアトレティコは「選手登録はできずとも夏に選手を獲得して処分が解除される1月を待つ」というプランで今夏の移籍市場を乗り切ることが予想される。アトレティコ移籍に前向きな姿勢を示しているビトロの獲得に対してもこの方策がとられるのではないかと思われた。
しかしこの場合、当然だが1月までの間プレーすることのできない選手側が不利益を被ることになる。ビトロもその例外ではなく、むしろ本人は来年開催されるロシアワールドカップに向け出場機会を得られることを最優先事項にしているとも。
相思相愛の関係であるにも関わらず、出場機会の問題が原因で移籍交渉が難航していたこの状況を解決したのが、同じリーガエスパニョーラを戦うラス・パルマスの存在であった。
ビトロの古巣であるラス・パルマスは、たとえ来年1月までの期間限定であっても同選手の獲得を熱望しており、これをアトレティコ側に打診したようだ。当然アトレティコ側からすれば、来季チャンピオンズリーグに出場しないラス・パルマスでビトロにプレー機会を与えることに全く問題はなく、ビトロ側からしても古巣で継続的にプレーしながらアトレティコへとステップアップできることになる。全員にとって“ウィンウィン”な策であるのだ。
ラス・パルマスの協力により、ビトロ獲得に向け大きく前進することができたアトレティコ。残る問題はビトロの契約解除金である4000万ユーロ(約48億円)を支払えるかどうかということになりそうだ。
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