言わずと知れた野球大国。サッカーでは南米最弱と見られていたが…
欧州の強豪イタリアと2-2で引分け、D組の3位でグループリーグ突破を決めたU-20日本代表。内山篤監督は「決勝トーナメントでまた新しいステージというか、景色を見られる」と語る。その第一関門となるベスト16で対戦相手となるのは南米のベネズエラだ。
ベネズエラといえばMLBに多くの有力選手を送り込む野球大国として知られる一方でサッカーは長らく南米最弱国とも見られ、W杯の出場は一度も無い。しかし、ここ数年は本腰を入れてサッカーの強化に取り組んでおり、A代表でも2011年コパ・アメリカで4位、昨年のコパ・アメリカ・センテナリオでベスト8に進出した。
そしてベネズエラ・サッカーの進化を象徴するのが今回のU-20代表チームであり、元ベネズエラ代表GKでもあるA代表のラファエル・ドゥダメル監督が兼任していることからも、力の入れ様が分かる。組織的にオーガナイズされたディフェンスとは対照的に、オフェンスは前線の個性をあますところなく発揮するスタイルであり、それを裏付けるタレント力を誇る。
[4-2-3-1]の1トップに張るロナルド・ペーニャと2列目に並ぶセルヒオ・コルドバ、ジェフェルソン・ソテルド、アダルベルト・ペニャランダの3人は固定的にスタメン起用され、個人技とイマジネーションに溢れる攻撃を披露。3試合で記録した10得点のうち8得点にゴールかアシストで絡んでいる。言わば“ロス・クアトロ・ファンタスティコ(ファンタスティック・フォー)”だ。