序盤にエース小川負傷。立ち込める暗雲
21日の初戦・南アフリカ戦に2-1で逆転勝ちし、2017年U-20W杯(韓国)グループステージ突破へ大きく前進した印象の強かった日本。24日の第2戦・ウルグアイ戦(水原)も入りは悪くなかった。
スタメンに抜擢された市丸瑞希(G大阪)、原輝綺(新潟)のボランチコンビはユベントス入りが決まっているロドリゴ・ベンタンク―ル(20番)ら中盤を確実にマークし、右サイドバックの藤谷壮(神戸)も持ち前のスピードで対面のアグスティン・カノッピオ(19番)に応戦。組織的守備からボールを奪って前半9分には小川航基(磐田)がクロスに飛び込み、10分には岩崎悠人(京都)にシュートが飛び出すなど、攻撃の方にも勢いが生まれつつあった。
そんな日本に予期せぬアクシデントが発生する。前半16分にエース小川が相手に踏まれて着地に失敗。ひざを負傷し、そのまま担架で運ばれて退場してしまったのだ。緊急事態に直面した内山篤監督が切ったカードは小川と同タイプの長身FW田川亨介(鳥栖)ではなく、15歳の久保建英(FC東京U-18)。「相手1ボランチ(フェデリコ・バルベルデ=16番)の横が空いていた」と話す指揮官はそのスペースを有効活用できる頭脳を持った若武者に勝負を託した。
しかし「相手のリーチもそうなんですけど、一歩が速いんで、そっちの方が苦しかった。ファーストタッチがうまくいかなかった」と久保が言うように、さすがの彼も思うようにボールを操れない。岩崎との2トップも経験値が少ないせいか、なかなか連動する形が作れない。
市丸が中を強引にこじ開けようと縦パスを狙い、右MFの堂安律(G大阪)が気を利かせて真ん中に入りながら起点を作ろうと試みるも、肝心なところでは相手に締められる。「前半はボールを回させられている感覚があった」と堂安も話したが、日本は巧妙かつ老獪な相手のペースに引きずり込まれていった。