6位でリーグ戦を終えたユナイテッド。CL出場権獲得に残された道はEL優勝のみ
4年ほど前、ジョゼ・モウリーニョ監督は公言している。
「ヨーロッパリーグ優勝は失敗の証だ」
FCポルトとインテル・ミラノをチャンピオンズリーグの頂点に導き、チェルシーとレアル・マドリーを優勝候補の常連に仕立て上げた名将は、ヨーロッパリーグを軽視していた。獲得賞金、世間の注目などは比較対象にならず、いまやワールドカップをしのぐ価値があるともいわれるチャンピオンズリーグこそが究極の目標であり、ヨーロッパリーグなどは取るに足らないと考えていた。しかし……。
「マンチェスター・ユナイテッドの歴史を語るうえで、ヨーロッパリーグは獲得すべきタイトルだ。われわれのコレクションに、是が非でも加えたい」
人一倍プライドが高いモウリーニョ監督にすれば、苦渋の選択である。ユナイテッドがチャンピオンズリーグの出場権を得るには、ヨーロッパリーグで優勝するしかない。プレミアリーグで6位に沈んだいま、残された唯一の選択肢が「失敗の証」と表現したヨーロッパリーグだ。チャンピオンズリーグという至高のステージに戻るためには、前言撤回もやむを得ない。来シーズン以降のチーム編成を順調に進めるためにも、ヨーロッパリーグは獲得すべきタイトルだ。
仮に、2017/18シーズンもチャンピオンズリーグに出場できなかった場合、現在進行中の強化プランは根底から覆される。アントワーヌ・グリーズマン、ヤン・オブラク(ともにアトレティコ・マドリー)、ロメル・ルカク(エバートン)など、ユナイテッドが接近中と噂される実力者たちは、移籍交渉に二の足を踏むだろう。現状の2~3倍の週給を提示すれば選手たちの心は揺らぐかもしれないが、チャンピオンズリーグの魅力に勝てる保証はどこにもない。