「ケイスケがゴールを決めてくれて、本当に嬉しかった」
ミランがヨーロッパリーグ予備予選出場を決めたボローニャ戦の後半28分、本田圭佑はチーム2点目となるゴールを直接FKで決めた。壁を超えたあとで急激に落ち、右隅を捉えた軌道は確かに美しいものだった。ただ見ていてそれ以上に印象的だったのは、その直後にミランの選手たちが本田を取り囲んで喜んでいた様子だった。
ピッチにいた全選手は輪を作り、ベンチから飛び出してくるものもいた。その後本田はベンチへ掛けて行き、クリスティアン・サパタと抱擁を交わす。その周りも、他のベンチ入りメンバーやスタッフが寄ってきた。出場機会には恵まれないながらも、日々の練習でチームを盛り立ててきた仲間の活躍という意味で、彼らは本田のゴールを喜んでいた。
「すごく大変な試合だったけど、途中から入ったケイスケやマティ・フェルナンデスのおかげで勝てた。僕たちは素晴らしいグループだ。ケイスケのように、これまであまり試合に出られなかった人が活躍することがそれを示している。彼がゴールを決めてくれて、本当に嬉しかった」。アレッシオ・ロマニョーリは、地元メディアに向けてこう語っていた。
実際、前半のミランは苦しい試合をしていた。この日、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が敷いたのは、守備時には最終ラインが4枚となる3-5-2。ジェラール・デウロフェウを右アウトサイドに配置し、カルロス・バッカとジャンルカ・ラパドゥーラで2トップを組ませたのだが、全く繋がりがなかった。中盤は分断、前線ではキープができず、右でデウロフェウも孤立。しかもボールを奪われては3バックの裏を突かれて次々とカウンターを喰らう始末だった。