寂しいセビージャの大敗。一時の勢いはどこへ
一時はレアル・マドリーもバルセロナも凌駕する勢いのあったセビージャが、すっかり大人しくなってしまった。もはや上にも下にも行けない4位、ホルヘ・サンパオリ監督は今季かぎりでの退団が濃厚、アルゼンチン代表監督になるという。
今季のセビージャはリーガに新風を吹き込んだ。強烈なハイプレスと巧みなパスワーク、攻守ともにアグレッシブなプレーぶり。サミル・ナスリが加入してからは、自由自在のポジショニングとアイデアでチームはスケールアップしていった。
サンパオリが敬愛するマルセロ・ビエルサのチームも終盤の失速が定番だったが、そこまで真似しなくてもよさそうなものだ。ともあれセビージャは妙に大人しくなってしまった。レアルに対してもチャンスは作れていたけれども、以前のように牙をむくことはないまま、試合は当たり前のように4-1で終わっている。
レアルの先制点は10分、アセンシオが倒されて得たFKをナチョが素早くシュートして決めた。GKリコはまだ構えてもおらず、壁も作りかけだった。しかしレフェリーは“セレモニー”の合図をしていなかったし、ボールも静止していたから、ナチョのプレーは正当である。レフェリーをブラインドに使って蹴ったのも巧妙だった。