トゥヘル監督解任が既定路線?
トーマス・トゥヘル監督の立場は危うい?【写真:Getty Images】
モチベーションを保てるか。2017年5月13日のブンデスリーガ第33節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでFCアウクスブルクと戦う。
ハンス・ヨハヒム・ヴァツケ社長とトーマス・トゥヘル監督の不仲がメディアによって騒がれ、“お家騒動”に揺れるドルトムント。既にかつてボルシアMGを率いた現ニース監督のルシアン・ファブレなど複数の後任候補がピックアップされ、今夏トゥヘルはクビになることが既定路線であるかのようなムードが漂っている。これら一連の報道の真偽は、シーズンが終わってクラブの動向を注視していれば自ずと明るみになるが、現時点で確実なことは、アウクスブルク戦で指揮を執るのはトゥヘルだということ位のものだ。
指揮官の人間性はさておき、今季の戦績だけを検討対象とすると、43歳の若手監督を解任する理由は見当たらない。マッツ・フンメルス、イルカイ・ギュンドアン、ヘンリク・ムヒタリアンという“屋台骨”を失いながら、チームを再構築し、現在ブンデスリーガでは3位に付けている。このままの順位で終えれば、来季のチャンピオンズリーグの本戦に直接出場することが可能だ。カップ戦でも、DFBポカールは5月27日にベルリンで行なわれる決勝戦に進出し、トゥヘルにとって初参戦だったCLもベスト8に終えた。
たしかに戦術にこだわり過ぎる傾向があり、モチベーターとしての手腕はあまり持ち合わせていないかもしれない。しかしスポーツ面の成績だけを考慮に入れれば、トゥヘルの首を切る理由は、なかなか見当たらない。あまりに非人間的な場合は別として、いくら人が良くても、勝てなければ意味がない。