マンUはELに主眼を移行。事実上三つ巴の争いに
例年同様、熾烈になっているプレミアリーグ(PL)の4位争い。つまりは翌シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)への出場権をかけたバトルだが、それもついに佳境に入ってきた。
現時点では36試合消化して勝ち点70のリバプールと、同35試合で勝ち点69のマンチェスター・シティの両クラブがともに3位と4位につけていて、有利な状況にある。
とはいえ、前節のクリスタル・パレス戦後にマンCのペップ・グアルディオラ監督が「トップレベルの4チームがCL出場権の残り2枠をかけて競っている。最終節まで激しい戦いは続くだろう」と話したとおり、上位2チームも油断できないのは確かだ。
この言葉を裏付けるように、5月10日には、試合前に6位だったアーセナルがサウサンプトンを2-0で破り、勝ち点を66まで伸ばすことに成功。マンチェスター・ユナイテッドを抜いて5位に順位を上げている。
だがそのマンUはすでに、優勝すればCL出場権獲得となるヨーロッパリーグ(EL)に主眼を移行している。7日に宿敵アーセナル戦に負けた際、ジョゼ・モウリーニョ監督は「アーセナルファンが喜んでくれてハッピーだ」と余裕の笑顔を見せ、試合よりもけが人が出なかった事実に安堵の表情を浮かべていた。
よって、実際にはリバプール、マンC、アーセナルの3チームが2つの枠を争う三つ巴の状況である。しかし前者の2クラブは、ともに残り試合をすべて勝利すれば出場権獲得が決定する。優位にあるのは間違いないのだが、何が起こるかが分からないのが昨今のPLである。シーズン閉幕を目前にして、波乱が起きるのではないかと勘ぐってしまう。
例えば、2年ぶりにCLの舞台への返り咲きを目指すリバプールが残すのは、敵地でのウェストハム戦とアンフィールドでのミドルズブラ戦の2試合である。順当にいけば、勝って当然の2カードと見ていいだろう。ただし、今季のリバプールは、チェルシーとトットナム以外のリーグ内のほかの上位チーム同様に不安定な戦いぶりを続けている。