バイエルン撃破でムードは上々
“初勝利”を挙げられるか。2017年4月29日のブンデスリーガ第31節、ボルシア・ドルトムントはホームに1.FCケルンを迎える。
3日前のDFBポカール準決勝で宿敵バイエルンを3-2で下し、決勝進出を決めたドルトムント。ファイナルは5月27日にベルリンで行われる。ブンデスリーガの今季日程を全て終えた後のことだ。ケルン戦に向けた前日会見で、トーマス・トゥヘル監督は「もちろん雰囲気は良い」と語った。
「リーグ戦最後の試合が今シーズン最後の試合でないのならば、喜ばしいことだ」
何はともあれ宿敵を破ったことで、指揮官が語るところでは、チームのムードは良好とのことである。そして今シーズンの最後に用意されたカップ戦の決勝は、確固たるモチベーションを維持するには十分だろう。対戦相手は現在リーグ戦9位のアイントラハト・フランクフルト。トゥヘル体制で初のタイトルは射程圏内だ。
それではリーグ戦の残り4試合は、ベルリンの晴れ舞台に向けた調整の場となるかというと、そういう訳ではなさそうだ。現在ドルトムントは3位。このまま行けば、来季チャンピオンズリーグの本選にそのまま出場することが可能である。しかし、予選からの参戦となる4位につけるホッフェンハイムとの勝ち点差はわずか1。1つのドロー、1つの敗戦で立場は途端に逆転する。何より5月6日にそのホッフェンハイムとの直接対決が控えている状況では、やはりケルンに勝ち切っておきたいところである。
しかし、ドルトムントはケルンとあまり相性が良くない。対ペーター・シュテーガー監督との戦績は3分2敗。オーストリア人指揮官にとって、ドルトムントは“お得意”となっている。強固な守備ブロックと、ビルドアップの中心となるユリアン・バイグルに対するプレッシング。トップ下に入った大迫勇也の正確なパスを活かした、アンソニー・モデストを筆頭とする爆発的なカウンター。昨年12月の対戦時には、そうしたシュテーガー監督の明確な戦術の前に、1-1のドローに終わっている。