ここ最近熟成してきた3バックシステムを採用しなかったバルサ
とにかくシュートが入らない。焦りや不安が会場全体に広がっていった。
現地時間19日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、バルセロナの選手たちは再びの”奇跡”を信じて戦ったが、夢は夢のまま終わってしまった。
前の週の1stレグでアウェイに乗り込んだバルサは、ユベントスに0-3で完敗。準決勝進出への希望が限りなく小さくなった状況で2ndレグを迎えた。それでも決勝トーナメント1回戦、パリ・サンジェルマン相手に1stレグを0-4で落とした後、2ndレグで6-1と盛り返し、CL史に残る大逆転勝利を成し遂げた“奇跡”の再現を誰もが期待した。
おそらく選手や監督たちの頭にもあの試合の記憶が刻まれ、2ndレグでの逆転を信じて疑わなかっただろう。だが、今回はその信念が邪魔をしてしまった。
バルサはハビエル・マスチェラーノのコンディションが万全でないこともあり、この2ヶ月ほどで熟成してきた3バックと4バックの可変システムを捨てた。ルイス・エンリケ監督が選んだのはオーソドックスな[4-1-2-3]の布陣。バルサの代名詞ともいうべき、いわば“いつも通り”の形だった。
とにかく3点のビハインドを覆さなければならないバルサは、序盤からボール支配率を高めて相手のゴールに襲いかかっていく。ユベントスはバルサ式[4-1-2-3]において弱点となるサイドバックの裏のスペースを執拗に狙って突き放しにかかる。