ボルシア・ドルトムントのロマン・ビュルキ【写真:Getty Images】
ボルシア・ドルトムントのスイス代表GKロマン・ビュルキは、先日起きたチームバスに対する爆発事件の精神的ショックを今でも引きずっているという。16日付の独紙『ビルト』が同選手のコメントを伝えた。
日本代表MF香川真司も所属するドルトムントは、現地時間11日にチャンピオンズリーグのモナコ戦が行われるホームスタジアムへ向かおうとしていたが、バスの付近で3つの爆発が発生。DFマルク・バルトラが負傷するなどの被害を受け、試合は翌日に延期された。
爆弾から飛び出したクギがバスの座席のヘッドレストに突き刺さっていたことや、「爆発があと1秒早ければ死者が出ていた」という調査関係者の見解などから、バスに乗っていた選手たちにとっては強い恐怖を感じる瞬間であったことがうかがい知れる。今でもそのショックを拭い去ることはできていないとビュルキは語る。
「最悪なのは夜だ。今でもまだ眠れないし、恐怖を感じている」とビュルキ。モナコ戦は延期されて翌日に開催されたが、「試合には集中できなかった。試合後には感情が溢れ出て、選手全員の目に涙が浮かんでいた」という。
チームバスに乗ると、嫌でも事件のことを思い出してしまうようだ。「もちろん、完全に敏感になっている。どうしても物音が気になってしまうし、窓の外を見てしまう。何でもないようにバスに乗ることはできなくなってしまった」
「事件についてのニュースは見ないようにしている」というビュルキは、絶え間なく試合が続いていくことを歓迎している。「忙しいスケジュールなのは良いことだ。ゆっくりソファーに座って、何が起きたかを思い出してしまう必要はないからね」と語った。
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