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コンテとペップの明暗、長期的に見ると逆転か。上乗せ難しいチェルシーと問題明白なシティ【西部の目】

5日、プレミアリーグ第31節チェルシー-マンチェスター・シティの一戦が行われた。ともに今シーズンから指揮官を務めているコンテ監督とグアルディオラ監督は、対照的なシーズンを送っているようにも思える両監督。この試合を制したのは今シーズン好調のチェルシーだったが、単純に両者の今シーズンを象徴する一戦とは言えないかもしれない。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

シティのゲームになるはずだった一戦

ジョゼップ・グアルディオラとアントニオ・コンテ
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督(左)とチェルシーのアントニオ・コンテ監督(右)【写真:Getty Images】

 チェルシーがマンチェスター・シティを下し、優勝へ大きく前進した。これで2位トッテナムとの差は7ポイント。4位のシティとは14ポイントもの差がついた。アントニオ・コンテ監督が3バックを採用してから順調にポイントを重ねたチェルシー、ペップ・グアルディオラ監督の思い描くサッカーができていないシティ。今季の両チームを象徴するようなゲームにも思える。ただ、そう単純な話でもないかもしれない。

 出方が注目されたのはシティだった。チェルシーは不動の3-4-2-1、3バックの右にズマ、右アウトサイドにアスピリクエタを起用しているが、システムとプレースタイルに変化はない。

 対するシティは、チェルシーの2シャドー(ペドロ、アザール)にデルフ、フェルナンジーニョをマッチアップさせた。両サイドもアスピリクエタにクリシ、アロンソにナバスと、ここまではマークが決まっている状態である。

 それ以外はシティの前方4人(アグエロ、シルバ、デブライネ、サネ)対チェルシーの5人(3バック+2ボランチ)という構図である。

 シティ側からみると、マッチアップの決まっている5ヶ所の1対1に勝つこと。そして前方の4人がポジションをズラしながらチェルシーの守備を攪乱して攻め込み、得点すること。守備、攻撃の両面でシティは思いどおりのゲームができていた。完璧とまではいえないものの、この試合に勝てる内容にはなっていた。

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