セレッソとそのサポーターのことは常に私の心の中にある
12月11日、約150人のサポーターに見送られて関西国際空港を飛び立った名将は、翌12日、自宅のあるブラジル南部の中都市クリチーバへ帰り着いた。インタビューに応じてくれたのは、その数日後。「まだ時差ぼけが取れない」と頭を振りながらも、笑顔で現われた。
場所は、自身がクリチーバ市内で経営する日本食レストラン「AZUKI」。「町で最初に設置したんだ」と自慢する回転寿司のコンベアが、ゆっくり回っている。インタビューを始めたのはまだ午前中で開店前だったが、昼前に開店すると、広い店内は常連客でたちまち埋まっていった。
――延べ7年間生活した日本を離れ、ブラジルへ戻ってきた現在の心境は?
「安全で、清潔で、秩序正しく、規律のある日本の生活にすっかり慣れてしまって、何かトラブルがあるとすぐ苛立ってしまう。唯一、こっちが日本より優れていると思うのは、道に穴ぼこがないことかな(笑)(注:ブラジルの道路には穴が多い。事実の正反対を指摘して、痛烈に皮肉っている)」
――今シーズン最後のホームゲーム(Jリーグ第33節)終了後、サポーターから「レヴィー、セレッソ!」と連呼され、選手からも胴上げされて、嬉し涙を流した。離日した時も、空港で盛大な見送りを受けた。
「セレッソのサポーターは、本当に素晴らしい。あれほど名残惜しんでもらって、本当に感激した。それなのに、『ぜひまた大阪に戻ってきたい。そのときは、もちろんガンバの監督として…』なんて冗談を言ってしまって(笑)。セレッソとそのサポーターのことは、これからも常に私の心の中にある」
――今後の予定は?
「ブラジル国内、東アジア、中東などのクラブからオファーがあるが、来年の中頃まで休養したい。それから、オファーがあれば検討しようと思う。できれば、欧州のクラブで新たな経験をしたい」