2試合で2ゴール3アシスト。久保が日本に勝ち点6をもたらす
久保裕也が日本代表の救世主となるのか。
28日に行われたロシアW杯アジア最終予選のタイ戦。日本代表の右サイドで躍動したのは、またしても23歳の若武者だった。直前のUAE戦で1ゴール1アシストを記録したのに続き、1ゴール2アシストでサムライブルーを勝利に導いた。
誰が見ても疑いようのない、勝利の立役者としての輝き。本人が求め続けている「結果」はしっかりとピッチ上に現れた。所属するベルギー1部のヘントでも加入から7試合で5ゴールと絶好調で、その勢いはとどまることを知らない。
どんな環境でも「結果」を残し続けられる要因は、選手としてのクオリティの高さはもちろんのこと、安定したメンタルにある。常に表情を変えないインタビューでの様子などからもその一端を窺い知ることができ、まるで静寂に包まれた夜の海のような落ち着きを感じさせる。
ベルギーの地元記者は「ユウヤはシャイなのかもしれないが、メディアの前であまり多くを語らない」と語ったが、ただ内気なのではなく、目の前のことに一喜一憂せず、常に現実を冷静に見つめているのだ。胸の内には巨大な闘志と野心を秘めている。
タイ戦の1点目、香川真司のゴールをアシストしたクロスの場面。森重真人からのロングボールに抜け出した久保は、ニアサイドに走ってくる岡崎慎司の動きを見逃さず、香川にマイナス気味のパスを通した。
先制アシストについて試合後に「その時パッと思いついたことをやったかな」と述べたが、しっかりと背番号10の位置を狙っていた。