やっと到達した通算50得点…岡崎が辿り着いた偉大な記録
岡田武史監督が率いた2009年から日本代表最大の得点源としてコンスタントにゴールを重ね、足掛け8年間で通算49得点を挙げていた岡崎慎司(レスター)。
ところが、2016年6月のブルガリア戦(豊田)の後、予想外の足踏みを余儀なくされた。2016年での代表年間得点はわずか「2」。大迫勇也(ケルン)や浅野拓磨(シュトゥットガルト)ら若い世代のFW陣の台頭もあって、先発出場も全10試合のうち5試合とプレー時間も減少の一途を辿っていただけに、「50の大台に乗せるのは難しいのではないか」という見方も強まりつつあった。
「自分はフラストレーションは溜まらない方。難しい状況に直面すると、むしろ燃えるという感じ。『そんな時期もあるだろう』と考えていたし、『また入る時期が来るだろう』とも思っていた」と本人は楽観的に構えていたことを強調する。だが、守備やハードワークなど得点以外の役割を多く求められるレスターでの現状も重なり、どこかで焦燥感を覚えていたはずだ。
気を取り直して迎えた2017年の代表初戦・UAE戦(アルアイン)でも、岡崎はゴールに縁遠かった。大迫の負傷退場でピッチに立った後半アディショナルタイム、原口元気(ヘルタ)からもらった絶妙のスルーパスを外してしまったのだ。
「この代表では『ストライカーとしての自分』を取り戻したい。だけど今、チーム(レスター)でも決定的なポジションになかなかいられなくて、今日も外した場面もそうですけど、ああいうところで自信を持って打ち切れなくなってきている」と彼自身もゴール前の感覚がやや鈍っていることを認めていた。その苦境からどう這い上がるのか。それは非常に難しいテーマだと目された。
それでもヴァイッド・ハリルホジッチ監督は岡崎を信頼し続け、再びチャンスを与える。28日の2018年ロシアワールドカップアジア最終予選第6戦・タイ戦(埼玉)では1トップに先発起用。今度こそ高い壁を超えてほしいと期待を寄せたのだ。