チェーザレ・プランデッリ氏【写真:Getty Images】
かつてイタリア代表やフィオレンティーナ、ガラタサライなどを率いたチェーザレ・プランデッリ氏は、仏『SFRスポーツ』のインタビューでレスター・シティからの新監督就任要請を断ったと明かした。
レスターは成績不振によりクラウディオ・ラニエリ監督の解任を決め、クレイグ・シェイクスピア氏を暫定監督に据えて戦っている。しかし、プランデッリ氏には正式な新監督就任のオファーがあったという。
「私はノーと言った。彼らからアプローチがあったのだが、すぐに断った。ラニエリがあんな扱いを受けた後で、あの場所へ行こうとは思わない」
レスターの監督交代には選手からクラブに対する進言があったとも報じられた。プランデッリ氏は、ラニエリ監督が不当に解任されたと考えているのだろうか。
本来上の立場であるはずの監督やフロントではなく、選手の力が強くなりすぎてしまうことを危惧し「フットボールのマネジメントは非常に難しいが、素晴らしい仕事でもある。ただここ数年、指導者と選手たちの互いの関係に大きな変化が生じている」と、時代の移り変わりを指摘している。
今季途中からバレンシアの監督に就任したものの、結果を残せなかったうえ、補強方針でクラブと衝突してわずか3ヶ月で辞任していたプランデッリ氏。そういった経験からも、現場での変化を感じ取っているのかもしれない。
降格候補と言われながら並み居るビッグクラブを押しのけ、昨季のプレミアリーグを制したレスター。イタリア代表などを指揮した経験を持つベテラン監督は、そういった偉業を成し遂げながらも「変化」はレスターにも当てはまると述べる。
「例えば、ラニエリはとてつもなく素晴らしいことを達成したが、繰り返すことはできなかった。記憶に残る歴史的なタイトルを勝ち取った監督は、その数ヶ月後に棄てられた。誰かがそうなったことを反省しなければならない」
力を持ちすぎた選手やフロントのことを気にしながら火中の栗を拾うのはもうウンザリということだろうか。現在プレミアリーグ制覇の頃の強さを取り戻して公式戦4連勝中のレスターにとってはシェイクスピア監督にチームを任せてよかった、ということになるのかもしれないが…。
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