「若手は精神面で準備ができていない」。ハリルが示した懸念
W杯まで残り1年となった。ブラジルでの惨敗は記憶に新しく、時の流れの速さを感じさせる。
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、16日に行われた記者会見の冒頭で「我々はW杯に向かう最終直線に入りました」と語った。アジア最終予選は折り返しを迎え、1つの負けがW杯出場権獲得に向けて命取りになる状況だ。
今回招集された日本代表メンバー25人の平均年齢は27.6歳(3月16日時点)で、ハリルホジッチ体制になって最も平均年齢の高いチームになった。昨年11月のオマーン戦に向けて選ばれた25人の平均年齢は26.9歳(2016年11月11日時点)で、わずか4ヶ月しか経っていないが、メンバー全体の年齢層が上がったことがわかる。
ハリルホジッチ監督は記者会見の中で「経験」という言葉を繰り返した。昨年何度か若手を招集したことにも触れ、「もしかしたらまだ精神面で準備ができていないかもしれないと感じました」と語っている。
アウェイであろうと勝ち星を落とせない状況を考えれば、より安定したパフォーマンスを発揮出来る経験豊富な選手たちを集め、過酷な環境でも“戦える”チームを作る現実的な考えは十分に理解できる。そしてアジア予選というチームの単純な実力差以上に苦しい戦いを切り抜ける力は、一朝一夕で身につけられるものではない。
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