「イタリア人の観客には軽く見られているようだ」
5日、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙に、日本代表のザッケローニ監督のインタビューが掲載された。当然のこと、内容はミランに移籍した本田圭佑に関することが中心だったが、長友のことについても色々と語っていた。
「日本人はおしなべて“汎用性”を持っている。それは長友のことを考えれば一目瞭然だろう。いったい右の選手なのか、左の選手なのか見ていると分からなくなるくらいだからね。技術的にも優秀だよ。
彼に注文すれば、40メートルのサイドチェンジをちゃんと決めてくれる。マッツァーリ監督は実に彼を巧く使っているよ。ただ、イタリア人の観客には軽く見られているようだがね。
サン・シーロである試合を視察した時、彼は一人でチームを支えていたのだが、初めてボールタッチでミスを犯したとたん、観客からは執拗なブーイングが上がった。(日本人は他の選手よりも馴染むのに難しい?)いや、彼らは過小評価されていると言っているのだ」
愛情丸出しのコメントではある。ただ確かに、試合での貢献度を考えれば長友が不憫な評価を受けていると感じることもままある。
チームの中で誰よりも良く走り、特に3バック戦術を敷いた今では彼なしにはバランスが成り立たないまでになっているのだが、たった一度のミスで厳しい評価を受ける。ファンは怒り、そして何より、メディアは遠慮なく酷評するのである。
もちろんその中には、最初から叩くことが前提で、本当に試合を見ていたのか疑わしいあら探しもある。ただ一貫して、結果に直結するミスは絶対に許容されない。ラツィオ戦も、そういう評価を下されても仕方のない試合となってしまった。