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バルサ、「歴史的逆転劇」の要因。引いてしまったPSG、4点リードで生まれた消極性

チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦2ndレグにおいて、バルセロナはパリ・サンジェルマン(PSG)を相手に6-1で勝利を手にした。この結果、2戦合計6-5でバルセロナの勝ち抜けが決定。4点差というビハインドをひっくり返したバルセロナの強さの要因とは?(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

バルサ攻略法を見出していたエメリ監督

パリ・サンジェルマンのウナイ・エメリ監督
パリ・サンジェルマンのウナイ・エメリ監督【写真:Getty Images】

 奇跡なんて起きない。

 誰もが口では現実的な言葉を発していても、心のどこかに「でも…」という思いを抱かせるチームがある。長い歴史を経て積み重ねた芯の強さを持つチーム、それがバルセロナだ。

 ただ、何の理由もなく勝利できるような舞台はない。特にチャンピオンズリーグという世界最高峰の舞台では、勝利にも敗戦にも、その結果を生んだ要因が明確に存在する。

 パリ・サンジェルマンを率いるウナイ・エメリ監督は、昨シーズンまで率いていたセビージャで一度、バルセロナの攻略法を見出している。

 一般的に、攻撃力の高いチームに対して力の劣るチームが勝負を挑む際には、守備に力を注ぎ全員が自陣に引きこもるのが常套手段ともいえる。しかし、攻撃力のみならず支配力の高いバルサに対してこの手段を使えば、たちまち試合を支配され、格好の餌食となってしまう。

 昨シーズン、セビージャの指揮官としてホームにバルサを迎えたエメリ監督は、引くのではなく前に出てプレッシャーをかけることでバルサのビルドアップを封じ、ショートカウンターから効果的に得点を挙げることで金星を手にした。

 その感触を持って今シーズンから率いるPSGでバルサと対峙したエメリ監督は、CLラウンド16の1stレグにおいて、4-0という衝撃的な勝利をつかんだ。

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