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アーセナル、またも遠かったCLベスト8の壁…7年連続の16強敗退でヴェンゲル体制は岐路に

text by 編集部 photo by Getty Images

ヴェンゲル監督
アーセナルを率いるヴェンゲル監督【写真:Getty Images】

 アーセナルは現地時間7日、ホームで開催されたチャンピオンズリーグ(CL)ベスト16の2ndレグでバイエルン・ミュンヘンと対戦。アウェイでの1stレグでは1-5の大敗を喫しており、奇跡の逆転突破に向けてホームで最低でも4得点が必要という厳しい条件だった。

 それでも立ち上がりから猛攻を見せたアーセナルはセオ・ウォルコットのゴールで前半のうちに先制に成功。しかし後半序盤にキャプテンマークを巻いたローラン・コシェルニーが退場処分を下されると、その後も失点を重ねて2試合続けて1-5の大敗。2戦合計2-10で7年連続となるベスト16敗退が決まった。

 どうしてもベスト8の壁が遠い――。2005/06シーズンには決勝にも勝ち上がったアーセナルだが、CLでの優勝経験はいまだない。

 2009/10シーズンこそベスト8に進出したものの、当時はバルセロナに2戦合計3-6で敗れた。その後はバイエルンやミランを前にベスト16敗退が続き、それ以降一度もベスト8に進出していない。

 特に、2014/15シーズンはモナコ相手にホームでの1stレグを1-3で落としたことで国内メディアから強い批判にさらされるなど、欧州最高峰の大会での苦戦が続いている。

 試合後、英紙『インディペンデント』も「悪夢が2度も襲った。アーセナルはプライドを持たず1stレグの失態を繰り返し、なぜか2月の試合よりも悪い試合を演じた。アーセナルは敗退の可能性を最小限にするべきだったが、彼らはその方法を知り得ていなかった」と報じ、大会史上初となる7シーズン連続のベスト16敗退という不名誉な記録を残してしまったチームを厳しく批判した。

 イングランド・プレミアリーグでは毎年上位争いを演じ、17年連続のCL本大会出場を果たすなど国内外でも強豪クラブとして数えられるアーセナル。それでもプレミアリーグでは2003/04シーズンに無敗優勝を遂げて以降はタイトルから遠ざかっており、今季も首位チェルシーとは勝ち点16差をつけられて逆転優勝は絶望的な状況だ。

 さらに、来季のCL出場も危うくなっている。プレミアリーグでは4位以内に入らなければCL出場権を手にすることはできないが、今季のアーセナルは26節を終えて暫定5位。このまま順位を上げることができなければ、18年ぶりにCL本大会出場を逃すことになる。

 また、チームを率いるアーセン・ヴェンゲル監督も来季の去就は不透明だ。今季限りでアーセナルとの契約は満了となるが、いまだ契約延長には合意しておらず、シーズン終了後には退任するのではという報道もある。

 ここ数シーズンでCLやプレミアリーグのビッグタイトルをもたらすことが出来ていないヴェンゲル監督に対して、ファンも退任要求行動を起こすなど強い不満を示してきた。試合後にも、多くのサポーターが「もうたくさんだ。ヴェンゲルよ、出ていけ」と書かれた紙を掲げ、チームにブーイングを浴びせた。

 若手選手の育成、ファンを魅了するパスワークを信条に人気を博してきた“ガナーズ”(アーセナルの愛称)。イングランドの名門が、岐路に立たされている。

【了】

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