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監督は”マゾヒスト”であるべき? ヴェンゲルが語る長期政権の秘訣

text by 編集部 photo by Getty Images

アーセン・ヴェンゲル
アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督【写真:Getty Images】

 アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は、20年以上にわたって同クラブを率いるという長期政権を実現できた理由として、自身を「マゾヒズムのスペシャリスト」と表現した。2日付の英紙『テレグラフ』などが会見でのコメントを伝えている。

 ヴェンゲル監督は1996年にアーセナル指揮官に就任し、昨年10月で20周年を迎えた。現在67歳の同監督は、アーセナルの前に率いた日本の名古屋グランパスエイトやその前に率いていたモナコなども含めると、30年以上にわたって長期の休養を取ることなく監督業を続けてきた。

 一方で、バルセロナを率いる46歳のルイス・エンリケ監督は「休養が必要」だとして今季限りでの退任を先日発表した。ユルゲン・クロップ監督やジョゼップ・グアルディオラ監督など、数年間率いたクラブを退任したあと、次のクラブに移るまでに休養期間を設ける監督たちも多い。

「基本的には、90%は苛立つことばかりであり、満足が得られるのは10%だ」とヴェンゲル監督は、ビッグクラブの指揮官という仕事のもたらす心身的負担の大きさについて表現した。「人生を犠牲にするということだ。この仕事をやりたいという若い者たちに私がいつも尋ねるのは、『人生を犠牲にする覚悟があるか?』ということだ。聖職者のようなものだよ」

 その過酷な仕事を休むことなく継続してきた理由について、「私はマゾヒズムのスペシャリストなんだ」とヴェンゲル監督。「この仕事は、自分を人間として次のレベルへ到達させてくれると信じている。自分の限界をさらに押し上げ、平均的ではない人生を送ることができる」と監督業の醍醐味について述べている。

 今季限りでアーセナルを退団する可能性も盛んに報じられるヴェンゲル監督だが、他クラブへ移るとしても監督の仕事はまだ数年続けたいという意欲を見せている。そのバイタリティーはまだ尽きることはないようだ。

【了】

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