追い詰められたアトレティが見せた大胆さ、欠けていたのは決定力
7日に行われたコパ・デル・レイ準決勝セカンドレグでアトレティコ・デ・マドリーが見せたパフォーマンスは、確かに然るべきものであった。ファーストレグを1-2で落としていたのだから、あれだけ勇敢になることを義務付けられていたと言っていい。
もし違うプランを用意していたならば、それは臆病と形容されていたはずだ。シメオネが率いるここ数年のチームを概括すれば、どのようなライバルも無敵ではないと考えられるのだから。
各ラインを狭めてコンパクトにまとまり、高い位置からプレッシングを仕掛けながら前へ前へと迫り出す……。アトレティコはそうして敵陣地のスペースを最大限埋めて、前半の大部分でバルセロナを上回った。しかし、彼らには一つの問題があった。この良質な戦術及びメンタリティーがありながらも、ゴールという最重要の要素が欠けていたのだ。
試合開始から30分まで、アトレティコはボールを確保しながら容易に相手ペナルティーエリアに到達していた。けれどもカラスコ、サヴィッチ、コケ、ゴディンが決定機を迎えると、その都度シレッセンに強烈な存在感を放たれている。この状況はシメオネを思索させるのではなく、ただただ焦燥感を募らせるものだった。
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