俊輔加入で松井は“使われる側”にも
ジュビロ磐田には、復活が期待される選手が何人かいる。今シーズン始動以降、名波浩監督は『競争』という言葉をよく口にするようになった。ポジション争いは、これまでよりも激しくなることが予想される。
“復活”という表現は正しくないかもしれないが、昨シーズン以上にチームに貢献すべき者たちがいる。彼らはスタメン争いに絡むのはもちろん、磐田を勝利へ導く働きが求められる。
松井大輔は、新年1月1日からグアムで自主トレを行った。今年は酉年で、年男だ。「飛躍の1年にしたい」と意気込みを見せる。
出場機会の少ないメンバーが中心のナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)や天皇杯では、若手主体のチームをけん引し、違いを見せもした。しかし、本来であればリーグ戦のピッチに立っていなければならない選手だ。
自ら仕掛けることができ、意外性のあるパスで相手の裏をかくこともできる。そうした能力は貴重であるが、100%の力を出し切れたかと言えば答えはノーだろう。むろん、名波監督は松井を重要な戦力とみなしており、トップフォームを維持できれば自ずと出場機会は増える。昨シーズンとは違った松井大輔を見せなければならない。
もっとも、その期待感は大きい。磐田ではどちらかと言えば“使う側”だった松井だが、中村俊輔の加入によって“使われる側”に回ることもできる。キャリアを重ねる中でプレースタイルが変化した感もあるが、元々は単独で相手を翻弄しゴールへ迫ることのできる選手だ。日本代表で共に戦っていた頃のようなコンビネーションを新加入のレフティーと見せられれば、松井にとってもチームにとってもプラスに働くだろう。