レスター、不振抜け出せず迫る降格圏…指揮官は岡崎をトップ下で起用
後半戦になっても不振から抜け出せない王者レスター。22試合終了時点で、勝ち点は「21」。リーグ15位に沈み、首位チェルシーとの差は34だ。開幕から5ヶ月経過した今も、昨シーズンの中盤の要だったエヌゴロ・カンテの抜けた穴を埋められず、クラウディオ・ラニエリ監督は頭を悩ませている。試行錯誤を繰り返し、糸口を探し続けている状況だ。
昨季はスタメンを固定して戦い続け、奇跡のリーグ優勝を手繰り寄せた。しかし今季は、選手の怪我などもあったが“ティンカーマン”(できそこないの修繕屋)と揶揄された悪い癖が顕著に出てしまい、ほぼ毎試合で出場選手や戦術を変更。歯車の合わないチームを立て直そうと必死だが、現時点では何をしてもその成果は見られず、チームが上昇する気配は一向に見えてこない。
1月に入ってからイタリア人指揮官が好んで使っているのは、4-3-1-2だ。このシステムでは中盤にCM/DMタイプの選手を3枚置いて、トップ下に岡崎慎司を据えている。今季の岡崎は、4-4-2の際でも中盤と前線のボールのつなぎ役を託されて、昨季よりさらに深い位置で4-4-1-1のセカンドトップ/攻撃的MFとしてや、4-5-1のセカンドトップ/トップ下などでプレーする機会が増えていた。
だがこのシステムでは、岡崎は完全にFW2人の後方に座ることになる。1月2日のミドルズブラ戦で試したのが最初のことだったが、その理由はいくつかある。
まず、今月はアフリカネイションズカップが開催されるため、リヤド・マフレズとイスラム・スリマニ(ともにアルジェリア代表)、ダニエル・アマーティ(ガーナ代表)のレギュラークラスの3選手がチームを離れたから。同時に、12月下旬からのジェーミー・ヴァーディーの出場停止処分も重なり、コマ不足になっていた。
2つ目は、冬の市場でベルギーのゲンクからウィルフレッド・エヌディディを獲得したこともある。FAカップのエバートン戦でデビューした際には4-3-3の底でプレー。この試合で岡崎は不出場だったが、「練習で見て、一発でいいと思った」と話し、特に前を向いてプレーする姿勢に好印象を持っていた。