“偽9番”の採用で攻撃に迫力が出たナポリ
ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督【写真:Getty Images】
「結果の上では重要となる上位対決だ。相手のナポリはヨーロッパの試合なども戦い抜けるくらいに戦力を充実させている。しかも彼らが絶頂の時に我々は対戦することとなる。90分間に渡って熾烈な試合になると思うが、私は楽しみにしている」
ナポリ戦の前日会見で、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はそう抱負を語った。相手の力量を常に認めながら、臆することなく勝負を楽しむ姿勢。記者会見では毎回のようにポジティブな姿勢を見せているが、この日もそうだった。
ナポリは確かに調子が良い。10月末のユベントス戦で敗れた後は負けなし、しかも12月からの6試合では5勝1分、そしてその全ての試合で2得点以上を挙げている。
開幕の当初は、センターフォワードの不在でチームが機能しなかった。ゴンサロ・イグアインがユーベに移籍した穴は当然のごとく大きかったし、新加入のアルカディウシュ・ミリクがフィットかけた矢先に左膝前十字靭帯断裂の重傷で長期離脱。
マノロ・ガッビアディーニも相変わらず戦術にはまらず、チーム全体の歯車も回らなくなるが、マウリツィオ・サッリ監督は解決法を見つけた。ドリース・メルテンスの”ニセ9番”起用である。
小柄ながら卓越した突破力を持ち、自ら切り込んで強力なシュートを放つこのウインガーの配置転換は当たった。トップの位置から落ちてボールに触り、味方と連携してパスを回しつつ、エリア前でボールを受ければ鋭く中に切り込んでゴールを狙う。16節のカリアリ戦のハットトリックを皮切りに5試合9得点と大暴れし、得点ランキングでも一気に上位に躍り出た。