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アジア 8年前

全北ACL除外、提訴も逆転は不可能か。同じ現代の“兄弟クラブ”が棚ぼたも

審判買収事件が引き金となり、全北現代の2017シーズンのACL出場権がはく奪されてしまった。全北は提訴することを発表しているが、代わりに出場権を手にしたのは全北と同じく運営・親会社が現代財閥の系譜である蔚山現代だ。蔚山はACL出場に向け、選手補強にも拍車をかけている。果たして、兄貴分の恥を“弟分”が晴らし、Kリーグの名誉を回復させられるのか。(取材・文:キム・ドンヒョン【城南】)

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

全北は提訴を準備。現地の反応は「正当な結果」

全北現代
ACL出場権をはく奪された全北現代【写真:Getty Images】

 2016シーズンのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)覇者、全北現代が2017シーズンの出場権をはく奪されてしまった。全北はAFCから関連資料の提出を求められていた。17日に書類を提出したが、翌日、出場資格不可の通知を受けた。

 18日(日本時間)、アジアサッカー連盟(AFC)連盟機構の1つである出場管理機構(Entry Control Body)は、AFCのクラブ大会出場規約第11条第8項「国内外問わず試合結果に対し直接的または間接的に影響を及ぼそうとする行為をしたクラブは、AFC主催大会への参加を即座に拒否される」というルールに基づき、はく奪を決定。

 昨季のACLを制した全北現代だったが、2013年にクラブのスカウターがレフェリーに2回にわたって500万ウォン(現在のレートで約48万円)を渡し、有利な判定を要求していたことが判明、実刑判決を下されている。Kリーグクラシックでも勝ち点9の没収処分や1億ウォン(約970万円)の罰金の懲戒を受け、2位に終わっている。

 全北はACL出場を諦めていない。判決直後、「出場に対する正当性を求めるため、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する」と発表。だが、現地・韓国では「正当な結果」というムードが流れている。

 オンラインメディア『デイリアン』は「AFCの決断とKリーグの温度差は明らかだった」としたうえで「レフェリー買収事件が全北の2連覇挑戦に歯止めをかけた」と痛烈に批判。メジャーなサッカー専門誌『フットボールリスト』も「ACL出場権(はく奪)を覆すのは難しい」と悲観的な論調だった。

 オンラインスポーツメディアのSPOTVは「カンボジアのプノンペンクラウンが八百長に巻き込まれ、AFCカップ(ACLの下部大会)出場権をはく奪されたが、CASに提訴し、出場権を復権された例がある」と指摘している。だが、「どのような結果が出るかは少し時間を置くべき」とした。

 プノンペンの事例ではプレーオフ予選に出場するはずだった同クラブが、期限までに復活できなかった。ところが「予選」ではなく直接プレーオフに出場させたという疑問の残る決定が下された。これを契機として出場管理機構が新設されており、判決に大きな影響を及ぼすだろう。

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