カールスルーエのフラッグ【写真:Getty Images】
元日本代表MF山田大記が所属するドイツ2部カールスルーエが、ある1人のファンのおかげで失いかけていた儲けを取り戻すことができたようだ。5日付の独紙『ビルト』などが報じている。
カールスルーエは2011年、MFルーカス・ルップ(現ホッフェンハイム所属)とDFマティアス・ツィンマーマン(現シュトゥットガルト所属)の2人をボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)へ200万ユーロ(約2億4000万円)で売却した。
この時カールスルーエは、将来この2名の選手が転売された際にその売却金額の数%がクラブに支払われ、そして試合の収入が全額カールスルーエに支払われることになる条件でボルシアMGと親善試合を開催するという条項を契約に設けていたという。
しかし、クラブは6年間の間にこの親善試合を行うという条項を失念。これによりクラブは、同クラブにとって大きな収入額である約25万ユーロ(約3000万円)とみられる金額を失ってしまう恐れがあったようだ。
その条項をある1人のファンがクラブに思い出させたという。同ファンは、当時合意した条項が書かれた記事を持ってクラブの株主総会に出席。そこでクラブはすぐにボルシアMGとコンタクトを取り、同クラブがそれを受け入れたことで条項通りに親善試合が行われることになったようだ。
この功績を讃えて、カールスルーエはこの試合を観戦するために同ファンを記者席に招待。また、クラブは感謝の気持ちとして同ファンに何かをプレゼントすることを構想中だという。
このファンのおかげで、クラブは改めて熱狂的に支えるサポーターの重要性を再認識することになったかもしれない。
【了】