天津権健へ移籍したMFアクセル・ヴィツェル【写真:Getty Images】
ロシア1部ゼニトを率いるミルチェア・ルチェスク監督の息子でギリシャ1部シュコダ・クサンティを率いるラズヴァン・ルチェスク監督は、中国スーパーリーグの天津権健へ移籍したベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルが行った選択を正当化した。4日にルーマニアの『ドルチェ・スポーツ』が伝えている。
昨年夏の移籍市場でユベントスに加入する寸前だったものの、ゼニトとの交渉が最終段階でまとまらずに取引が破談になったヴィツェル。それでもユベントスが、来夏にフリーで獲得できるにもかかわらず今冬の獲得に乗り出していたことで同クラブへの加入が目前かとみられていた。
しかし昨年末に状況が一変し、年俸1800万ユーロ(約22億円)の5年契約というオファーを提示した天津権健と契約を締結。このことについてラズヴァン監督は、「彼が中国に行く選択をしたことに驚きはしなかった」と、ヴィツェルの選択を正当化した。
「彼は年俸400万ユーロ(約5億円)の契約をゼニトと結んでいたが、中国ではその5倍の年俸を受け取ることになるんだ。自身の人生と家族を考える必要がある。将来欧州に戻って、どこかのビッグクラブでプレーできる時間はまだあるし、そのような選手たちはこれまでにもたくさんいた」
また、ラズヴァン監督は、「彼は6月で契約が切れていたわけだから、フリーで失ってしまう恐れがあった」と述べ、父親が指揮を執るゼニトが行った取引も称賛している。
中国への移籍を選んだ27歳のヴィツェルだが、結局のところ、本人もゼニトも天津権健も3者全員が満足のいく結果となったことには間違いなさそうだ。
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