ベースを維持もJ1昇格はならず
昨季はJ1最下位で降格となったものの、石崎信弘監督が留任。チームのベースを維持して1年でのJ1復帰を目指した。
とはいえ、戦力の入れ替わりは激しく、主力から控えまで20人近い選手が退団した。加入したのは石崎監督のスタイルを体現できるタイプの選手が多く、京都サンガF.C.から元日本代表のベテラン大黒将志を迎えて爆発力にも期待が集まった。
しかし、最終結果は14位。二桁得点を挙げた選手は1人もおらず、大黒も9得点を奪うにとどまった。守備ではセットプレーから19失点を喫し、なかなか浮上のきっかけをつかめないまま失望の1年を終えた。そして石崎監督の今季限りでの退任も決まっている。
来季は愛媛FCで魅力的なサッカーを展開していた木山隆之監督が就任する。浦和レッズから加賀健一、木山監督のスタイルをよく知る愛媛での教え子である児玉剛、阪野豊史も加わる。大黒だけでなくディエゴやアルセウらブラジル人選手も退団するが、戦力収支は黒字となるだろう。
山形の来季の目標は当然J1昇格のはずだ。新監督と新戦力が現所属選手たちとうまく融合し、早い段階でチームのベースを作り上げることができれば、十分に昇格争いができるポテンシャルがある。格上クラブを幾度も苦しめてきた策士・木山監督の手腕に注目だ。
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