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編集日記 12年前

祖母井秀隆GMが語る「地域に愛されるクラブのつくり方」【森哲也 編集戦記】

おいでやす、サッカー批評編集長の森です。先日発売になった『サッカー批評issue60』(双葉社)、みなさんもうご覧になっていただけましたでしょうか? 今回は特集企画ではありませんが、ぜひ読んでいただきたい記事を紹介したいと思います。

text by 森哲也

サッカークラブにとっての「結果」とは「勝利」だけなのか?

 昨シーズン、あと一歩でJ1昇格を逃した京都サンガF.C.。そんな状況だからこそ、いま祖母井秀隆GMがどんな思いでいるのか、とても興味がありました。かつて行き当たりばったりの強化で迷走し、「エレベータークラブ」と揶揄されたクラブの改革を期待され、GMに就任したのがおよそ2年前。

「昇格」という結果を求められるなかで、どのようなクラブづくりを目指しているのか、その中間地点を探ろうという狙いでジャーナリストの木村元彦氏にロングインタビューを行っていただきました。

「地域貢献」「スポーツでもっと幸せな国へ」という理念を掲げているJリーグですが、地域で本当に必要とされるクラブになるのは決して容易ではないことをこの20年の歴史が証明していると思います。地域になくてはならない存在になるために、何が大切なのか? 祖母井GMの話はそういった点でも非常に示唆に富む内容になっています。

 私がとくに感銘を受けたのは、「地域に応援される立場じゃなくて、応援する立場にならないといけない」という祖母井GMの言葉です。川崎フロンターレの活動にも言えることですが、その姿勢こそがまさにクラブが地域の財産になるために欠かせないものではないでしょうか。

 祖母井GMが始められた「サンガつながり隊」や地域の文化などをクラブが媒介してつなげようとする試みは、その理念にのっとったものであると感じられます。

 ほかにもスタジアムへの考え方やサンガタウンの活用法、チーム作りへの視座など、祖母井GMならではの感性があふれる内容になっています。

 勝利という結果も大切ですが、一方で今後何十年、何百年と地域に根差していかなければいけないサッカークラブにとっての「結果」とは何なのか? ということを私は深く考えさせられました。

 京都サンガを応援している方のみならず、Jリーグを応援するすべての人に読んで欲しい内容になっていますので、ぜひご一読ください。

【了】

『サッカー批評issue60』
定価980円

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