ルス監督が再登板から辞任。攻撃はイバに頼るシーンが多く…
昨季はミロシュ・ルス監督の下でJ2残留争いに巻き込まれ、指揮官は結局体調不良で途中退任。思わぬ形でバトンを受けた中田仁司監督がなんとかチームを立て直して15位でシーズンを終えた。
そんな激動の1年だったにもかかわらず、今季はまさかのルス監督再登板。補強では主に守備陣にテコ入れして開幕を迎えた。
しかし、開幕3連敗スタートに始まり、2度目のチャンスをもらったルス監督は6月に再び体調不良で退任してしまう。そこから中田監督が指揮を執ってチームを軌道に乗せ、一時はJ1昇格プレーオフ圏内まで勝ち点4差まで迫る健闘を見せた。
今年の横浜FCを象徴する存在は何と言っても新加入のFWイバだろう。序盤戦はJリーグやチームへの順応に苦しんで振るわなかったが、徐々にフィットすると恵まれた体格と他を圧倒する前への推進力を発揮して18ゴールを量産。5アシストも含めればチーム総得点(50得点)の約半分に絡んだことになる。
ただ、攻撃はイバ頼みの傾向が顕著だった。守備も51失点と昨季から大きく改善されたとは言えない。終盤3試合で下位クラブに敗れて失速してしまったのも、苦しい時に攻守に変化をつけられるだけのチームの土台ができていなかった証明といえよう。
来季は長きにわたってチームを支えてきたベテランの多くが退団する。その一方で新戦力は新卒あるいは実力が未知数な外国産の若手が中心で、現時点ではカルフィン・ヨン・アピン以外に即戦力は見当たらない。
仮に“イバ頼み”から抜け出せなければ、下位争いに巻き込まれてもおかしくないだろう。
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