クラブW杯で試験導入されているビデオアシスタントレフェリー【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)は、現在日本で開催中のクラブ・ワールドカップで導入試験が行われているビデオアシスタントレフェリー(VARs)は正しい判定を行うために適切な手段だとしてその正当性を主張している。FIFAの審判委員会責任者であるマッシモ・ブサッカ氏が、スペインラジオ『カデナ・コペ』に語った。
FIFAの国際大会で初めて試験的に導入されたVARsの最初の活用事例として、14日の準決勝ではビデオ判定により鹿島アントラーズにPKが与えられた。一方、15日の準決勝クラブ・アメリカ対レアル・マドリー戦ではマドリーのゴールに対してビデオ判定が用いられ、結局は審判団が最初に判断した通りゴールが認められた。
特に15日の試合では混乱を生んだとして批判の声もあるが、ブサッカ氏はここまでの運用に「我々は非常に満足している」と主張。「テクノロジーの出発点は、誤審により敗れるチームをなくすことだ」と述べ、ビデオ判定がそのために必要な技術であることを強調した。
主審がVARsの判定を確認するためプレーが中断されることも問題視されているが、正確な判定のためにはやむを得ないことでもあるとして、ひとつの例を挙げている。「スペイン代表は、日韓W杯でのプレーについて再判定が行われるのであれば、30秒でも5分間でも待つことを問題にはしなかっただろう」とブサッカ氏は述べた。
日本と韓国で共催された2002年のW杯で、スペイン代表は準々決勝で0-0からPK戦の末に韓国代表に敗れた。この試合ではスペインのゴールが取り消されるなど、審判の判定が結果に影響を及ぼしたとして大きな騒ぎとなった。ブサッカ氏によれば、そのような事例をなくすことこそがビデオ判定導入の目的とのことだ。
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