奇跡の優勝遂げたレスター。しかし今季は…
昨季はイングランドのみならず、世界的にも取り上げられたレスターのプレミアリーグ初制覇。スポーツニュースとしてではなく一般ニュースの枠でまで報道され、岡崎慎司が所属していることも手伝って、日本でも連日各メディアが特集を組んで紹介していたのはまだ記憶に新しい。
その前年にはシーズン終盤にギリギリで降格を免れたチームがシーズンを通じて3敗のみしか喫せず。マンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーやアーセナルを押しのけて優勝したのだ。
誰もが驚くシンデレラストーリーが完結したその瞬間、レスターサポーターは狂喜乱舞し、アンチ・ビッグチームの傾向が強いこの国のサッカーファンの多くも、強豪と呼ばれる金満クラブがスモールクラブの軍門に下るという、胸のすくような波乱を喜んだ。
あれから7ヶ月。レスターは昨季とはまるで異なったチームのようなパフォーマンスで低空飛行を続けている。
まず開幕戦。監督も決まっておらず、クラブ内がゴタゴタの状況にあったハルを相手にいいところなく完敗した。試合後、過度に期待されたくないクラウディオ・ラニエリ監督は「昨シーズンは昨シーズン。今季の目標は、まずは(残留決定の指針と言われる)勝ち点40を取ること」と予防線を張っていた。以来、指揮官のスタンスは変わっておらず、あくまで残留が今季のターゲットだと主張している。
ただあの試合を見て、今季のレスターが苦しむことになるだろうと予想した人は少なくなく、残留がノルマだというのもわかる気がした。ハル戦では先発から外れたものの途中出場した岡崎慎司も、「(王者として迎える今季は)難しくなると思う。このままズルズルいかないようにしないと」と気を引き締めていたのを思い出す。