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鹿島、日本勢史上初のクラブW杯決勝進出! 劣勢覆し3得点で南米王者を粉砕

text by 編集部 photo by Getty Images

鹿島
PKで決勝ゴールを挙げた鹿島FW土居聖真【写真:Getty Images】

【鹿島アントラーズ 3-0 アトレチコ・ナシオナル FIFAクラブW杯準決勝】

 FIFAクラブW杯の準決勝が14日に行われ、Jリーグ王者の鹿島アントラーズは南米王者のアトレチコ・ナシオナルと対戦した。

 鹿島は小笠原がスタメンに復帰したものの、左足首を痛めているエースの金崎は引き続きベンチスタートとなった。アトレチコ・ナシオナルはリオデジャネイロ五輪に出場した絶対エースのボルハが最前線に入る。

 前半は完全にアトレチコ・ナシオナルのペースで進む。ボルハらが次々にゴールへ襲いかかり、前半だけで15本近いシュートを放って鹿島ゴールを脅かした。しかし、Jリーグ王者はGK曽ヶ端やDF昌子を中心とした粘り強い守備で得点を許さない。

 24分には左サイドから駆け上がってきたモスケラのボレーシュートがクロスバーを直撃する。さらにこぼれ球にベリオが詰めたが、今度はゴールライン上へカバーに入った昌子が懸命にクリア。鹿島は立て続けに大ピンチを迎えながら九死に一生をえた。

 鹿島劣勢の30分、カッサイ主審が試合を止めてピッチ脇のモニターを確認する。FIFA主催の大会で史上初めてビデオアシスタントレフェリー(VAR)、いわゆるビデオ判定が使用された瞬間だった。これにより直前のフリーキックの場面で鹿島の西が相手選手にペナルティエリア内で足をかけられていたことが判明する。

 そして鹿島は土居がビデオ判定で得たPKをしっかりと決めて先制に成功。流れは悪かったが、先に1点を取って前半を終えた。

 後半、鹿島の石井監督は54分に赤崎を下げて金崎、58分に小笠原に代えて永木を投入。積極的に交代カードを切って万全の態勢を整える。それでも主導権をアトレチコ・ナシオナルから奪うには至らない。

 だが、後半も鹿島の守備の粘り強さは変わらない。GK曽ヶ端を中心に個人能力の高い相手の前線の選手たちに対して落ち着いて対応し、アトレチコ・ナシオナルをゴールに近づけさせない。そして終盤に決定的な1点が生まれた。

 83分、柴崎が左サイドからクロスを上げると、逆サイドの遠藤がゴール前に飛び込む。クロスを処理するため前に出たGKは交錯のタイミングでボールを後ろにこぼし、それを拾った遠藤が落ち着いて無人のゴールにヒールキックを流し込んだ。

 貴重な追加点を奪った直後、交代出場したばかりの鈴木もファーストタッチで結果を残す。右サイドで相手DFとのフィジカル勝負を制した金崎が低い弾道のクロスを送ると、ボールはGKの目の前を通り過ぎてファーサイドの鈴木のもとへ。20歳の若武者は冷静に鹿島の勝利を決定づける3点目を決めた。

 2倍以上のシュートを許しながら少ないチャンスを確実に決めて南米王者を破った鹿島は、Jリーグ勢として史上初めてのFIFAクラブW杯決勝進出を果たした。18日に行われる決勝では欧州王者レアル・マドリーと北中米カリブ王者クラブ・アメリカの勝者と対戦する。

【得点者】
33分 1-0 土居聖真(鹿島)
83分 2-0 遠藤康(鹿島)
85分 3-0 鈴木優磨(鹿島)

【了】

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