韓国大統領は職務停止。国を揺るがす事態に
歴代最大レベルの激動が韓国社会を轟かせている。朴槿恵大統領をめぐるシンジケート問題が勃発したのは10月24日のことだった。それ以来、韓国では6回の大規模デモが起こっている。筆者もそのうち、3回のデモに参加した。
先週は大統領の執務室であるブルーハウス(青瓦台)の100メートル手前で参加しており、歴史的な現場を目撃している。参加者はどんどんと増加しており、12月3日に開かれたデモにはソウルだけで190万人、韓国全国で232万人が集まった。
1987年6月の韓国民主化運動の際には参加者が100万人だったことを考えると今回の事件に対する国民の怒りがどれだけ大きいのかが、よくわかる。そして9日、国会で朴大統領に対する弾劾訴追案が可決され、大統領としての職務が直ちにストップされた(韓国憲法上、国務総理である黄教安氏が大統領代行を務める)。
このように韓国社会に激動が走る中、韓国サッカー界にもショックな出来事が起きた。11月20日、韓国の名門クラブ・城南FCがKリーグ入れ替え戦に敗れ、降格してしまったのだ。Jリーグに例えると鹿島アントラーズがJ2に降格したと想像したらいいだろう。
それほど城南のファンはもちろん韓国サッカーファンにも衝撃的なニュースだった。Kリーグ最多優勝を誇る王者の威容が瞬く間に落ちてしまった。現場で取材をしていたが、号泣するファンもいたほど心痛なムードに包まれた。
しかし、疑問に思う読者もいるだろう。なぜサッカーのコラムで韓国社会のことを先に出したのか。そしてこの名門の降格とどういった関係があるのか。実はここに韓国政治とサッカー界の知られざる関係が存在する。