「取るんだという気持ち」を前面に出したレギア戦
「取るんだという気持ち」を前面に出す香川真司【写真:Getty Images】
戦線に食らいついた。2016年11月22日のチャンピオンズリーグ(CL)グループF第5戦、ボルシア・ドルトムントはホームにレギア・ワルシャワを迎えた。
実質的に消化試合のレギア戦。香川真司は、10月29日に行われたシャルケとのダービー以来の先発であり、試合出場となった。シャルケ戦で負った足首痛の影響もあったが、2日のスポルティング戦、5日のハンブルガーSV戦と2戦連続でベンチ外。代表ウィーク明けのバイエルン戦は、90分間ベンチを温めた。久々に巡ってきたチャンスに、「意識」を傾ける。
「特に取るんだという気持ちを持ちつつも、しっかりとした状況判断が出来るように、気負いすぎずに、というのは意識しました。逆にこういう試合だからこそ気が抜けて、リラックスできていたところはあるんじゃないかなあと思います」
ゴール、アシストという結果を残す。目に見える数字への飢えを、香川は「取るんだという気持ち」と言い表した。今季の公式戦でゴールを決めたのは、DFBポカール1回戦のトリアー戦だけ。アシストは1度も記録していない。
ゴールもアシストも、選手層が厚く競争の激しいドルトムントで存在を証明するために、示さなくてはならないものだ。かと言って、入れ込み過ぎても自分のパフォーマンスを見失う。内なる情熱を手なずけながら、香川は、レギア戦に臨んだ。
しかし、消化試合特有の空気に、香川も含めたチーム全体が「気が抜けて、リラックス」してしまったようだ。10分、レギアのプリヨヴィッチに先制を許した。もっとも、試合後に香川は「ある程度はしょうがないこと」と割り切っている。
「ただ、嫌な流れになりつつあったけど、すぐにしっかり取り返せたことはチームとして良かったんじゃないかなあと思います」
すぐに2ゴールを叩き込んで、取り返したのは、香川だ。