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なぜアトレティコは崩壊したのか? ロナウドのハットを生んだ2トップの相棒と適任の指揮官

リーガエスパニョーラ第12節では、アトレティコ・マドリーのホームでレアル・マドリーとの「マドリード・ダービー」が行われた。結果はクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックによって3-0でアウェイチームの勝利。圧勝劇となったその要因を探る。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

アトレティコのプランを狂わせた4-4-2

イスコ
イスコがレアル・マドリー勝利の立役者に【写真:Getty Images】

 またしてもプレッシングは封じられた。ジネディーヌ・ジダン監督はディエゴ・シメオネ監督にとって天敵となっていくのかもしれない。

 レアル・マドリーは通常4-3-3で戦うチームだが、この日はアトレティコと同様の4-4-2を採用。キックオフ直後はある程度引いた状態からカウンターを狙うプランを立てた。

 試合のスタッツを見ると、支配率こそアトレティコの47.3%に対してマドリーは52.7%と上回っていたが、プレーエリアはアトレティコが敵陣で61.11%だったのに対してマドリーは自陣で59.73%と引き気味に戦っていたことがわかる。

 やはりCL決勝の記憶があったはず。この昨シーズン最後の一戦でも前半14分の先制点後に引いたことでアトレティコのプレッシングが封じられていた。偶発的とも言えたこの戦略だが、今回は長い時間をかけて準備をしてきたことがうかがえる。

 4-4-2というシステム自体が付け焼き刃でできるものではなく、特にクリスティアーノ・ロナウドをトップにその背後にイスコが配置される2トップの動きは周到に準備されたものだった。

 本来、支配率は低くてもプレーは敵陣で出来ているという状況はアトレティコのゲームとなるはずだった。しかし、この2トップ、特にイスコの存在がアトレティコのプランを狂わせることとなった。

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