これまでにはない”隙”を見せるバイエルン
絶対王者は存在しない。2016年11月19日のブンデスリーガ第11節、ボルシア・ドルトムントはホームにバイエルン・ミュンヘンを迎える。
ここ数シーズン、ブンデスリーガに優勝争いというイベントはなかった。スペインで繰り広げられるような、終盤にかけて白熱するデッドヒートは皆無。なぜならペップ・グアルディオラ率いるバイエルンが君臨していたから。ペップ就任1年目のリーガ史上最速優勝を皮切りに、3冠を達成したハインケス時代も含めて、史上初の4連覇。無類の強さを誇った。
しかし強さを維持し続けることは、何より難しいことなののかもしれない。選手補強を最小限に留め、今季からアンチェロッティ体制に移行したバイエルンだが、“隙”が生まれている。10月1日のケルン戦、15日のフランクフルト戦と2戦連続でドロー。その後再び連勝街道を走り始めたが、11月5日のホッフェンハイム戦はまたも1-1のドローに終えている。ホッフェンハイムのナーゲルスマン監督は「喜んで勝ち点を持ち帰るよ」と手応えを得て、DFルディは「ゲームを観た人は僕らが勝つことができたと思うだろう」と口にした。
もちろんバイエルンはまだ1敗もしていない。そのしぶとさこそが、最盛期のセリエAで監督経験を積んだアンチェロッティの“らしさ”とも言えるだろう。しかし10節を終えて、首位を維持はしたが、勝ち点で昇格組のRBライプツィヒに並ばれた。そのままライプツィヒが対抗馬になるとは限らないが、今季のブンデスでは、終盤に優勝争いが繰り広げられる可能性があるのだ。
ドルトムントとしてもホームの利を活かしながら、しぶとく戦って「勝ち点」を得たいところである。10月は怪我人やチャンピオンズリーグ(CL)も含めた過密日程の問題に苦しんだ。しかしCLでは、11月2日のスポルティング戦に勝利したことで決勝トーナメント進出を決め、11月、12月はリーグ戦に集中することができる。